ミルクティーを待っている列で、人々は藤原修と時枝秋を密かに指差して話していた。
「うわぁ、かっこいい!もしかして有名人に会えたのかな?」
「お姉さんもすごく綺麗!」
「写真撮りたい!」
時枝秋は少し考えて、マスクを取り出し、藤原修につけさせ、自分もつけた。
藤原修は彼女が大切そうにする様子を見て、自分が人に見られたくないという気持ちを感じ取り、目に笑みを浮かべた。
彼女は自分が人に見られたくないように、彼も彼女一人だけに愛でられたいのだった。
周りの人々は二人が撮影されたくないことを悟り、しばらく見物した後、仕方なく散っていった。
しかし、しばらくすると、また時枝秋の耳に声が届いた。
「これ、本当にかっこよすぎない?」
「そうそう、見て見て!」
時枝秋が振り向いた時、誰かがスマートフォンで写真を見ていた。