第150章 千万の位の数字

藤原千華も思わず密かに彼女に投票してしまった。

ああ、この娘は本当にどこをとっても素晴らしい。藤原修のことを好きではないという点を除けば、完璧と言えるほどだ。

藤原修が怒り出すのが怖くなければ、藤原千華は本当に彼に諭したいと思った。時枝秋を解放して、彼女の好きなことをさせてあげればいいのに!

こんな素敵なお姉さんは、星空と大海のものなのだから!

……

時枝秋と石田亮二が歌い終わった後も、背後の大画面では投票が続いていた。

票数は増え続けている。

石田亮二のマネージャーの表情は、最初の余裕から途中で不安げになり、今では針のむしろに座っているかのようだった。

時枝秋の実力は、彼の予想をはるかに上回っていた!

重岡尚樹が彼女に与えた50万票の基礎票と合わせて、今回は時枝秋が石田亮二を上回りそうだ!

投票が締め切られた後、石田亮二のマネージャーは誰よりも期待を込めて司会者の手元の票数を見つめていた。

「時枝秋が石田亮二を大きく上回ることはないはず」と彼は心の中で自分を慰めた。「いや、彼女の票数は絶対に石田亮二より少ないはずだ」

マネージャーは焦りながら携帯を見たり、ステージを見たりした。

彼は素早くメディアに連絡を取り、「コンテストが不公平だ。重岡尚樹は石ちゃんを推すために、追加で50万票を与えた」と伝えた。

送信後、やっと携帯をしまった。

もし石田亮二が勝てば、時枝秋の余分な50万票は単なる笑い話で終わるだろう。

もし石田亮二が負ければ、この件は絶対に黙っていられない。

しかし、予想できるのは、どちらにしても時枝秋は酷い批判を浴びることになるということだ。

司会者はすでに開票を始めていた。

まず一の位、十の位、そして十万の位まで、二人の数字はそれぞれ異なっていた。

しかし明らかに、これらは決定的な影響を持たない。

「次は百万の位です。石田亮二の百万の位は……」

司会者の声に合わせて、石田亮二は目の前の百万の位の数字を開いた。

「9!つまり、金の票数は980万票以上!これは今までのコンテストの中で、最多得票数を記録した選手となります!」司会者は驚きの声を上げた。

この票数は、みんなの予想をはるかに超えていた。

これまでの最多得票数は、先ほど演技したローズちゃんこと文岩薫里の800万票で、すでに新記録を打ち立てていた。