感じないものは感じない、無理強いはできない……文岩薫里の歌を聴きながら、夏目休はその心を揺さぶられるような感動を覚えることができず、すぐにペンを置いた。
弾幕では、文岩薫里のファンたちがすでに絶賛の声を上げていた。
「ローズちゃん、本当に素晴らしいわ!」
「頑張れ、頑張れ!一緒に頑張ろう!」
「優勝は間違いなしだよ!」
「ローズちゃんは絶対一番可愛いわ。彼女のSDキャラクター見た?実物の輪郭を元に描いたみたいよ」
会場では、文岩薫里のファンも少なくなかった。
しかし、時枝秋のファンも負けてはいなかった。これまでの出来事を経て、彼女のファンは彼女に関するすべてを冷静に受け入れることを学んでいた。
彼女の顎の傷跡についても、もう誰も嫌がることはなかった。
むしろ、自発的に彼女のSDキャラクターを描く人も現れ、そこでは傷跡は目立つものの、明るい眼差しで皆を照らしていた。