彼女のこの親密な仕草に、目の前の男性の耳が真っ赤に染まった。「お姉さん、優しいね!」
時枝秋:「……」
藤原修は一体どんな封印結界を解いたのだろう?
彼のあの照れくさそうで可愛らしい眼差しで見つめられ、時枝秋は彼に萌え死にしそうになった。このような表情が彼の整った顔に浮かんでいても、少しも違和感がなかった。
思わず手を伸ばして、彼の髪を撫でた。
この仕草は以前からしたいと思っていたが、藤原修の前では、さすがに大胆すぎるわけにはいかなかった。
ふわふわの髪は触り心地が本当に良かった。
藤原修も満足げな表情で、瞬きしながら時枝秋を見つめ、その瞳には子犬のような忠誠と憧れが溢れていた。
「違う、あなたの頭の中で考えているのは誰なの?」時枝秋はようやく違和感に気付いた。お姉さんって誰?
この時彼が憧れている女性は一体誰なの?
もし他の女性だと分かったら、藤原修は覚悟しなさい!
「お姉さんだよ」少年は彼女の腕を抱きしめ、腕にすり寄りながら、近づきたいけど、あまり近づけない様子だった。
「名前は?」時枝秋は自分でも気付かないうちに、歯を食いしばっていた。
少年は恥ずかしそうに俯いて:「お姉さんはどうしても言わせたいの?お姉さん、つまりあなたのことだよ」
彼は酔いで足元がふらつき、ソファーに座りそこねそうになった。
時枝秋は哄んすかして二階の部屋まで連れて行った。少年は恥ずかしそうに目が潤んでいて、部屋の装飾を見回して、何を考えたのか、首筋まで真っ赤になった。
「お風呂に入って寝なさい」時枝秋は本当に予想外だった。藤原修が酔うとこんな風になるなんて!
藤原修は何かとても困っているようで、頭の中で何を考えているのか分からないが、最後に決意を固めて拳を握った:「お姉さんなら、何をしても構わないよ!」
まるで時枝秋が少年の心と体を弄ぶ悪い女のようだった。
時枝秋は怒って彼の頭を軽く叩いた。この人は、頭の中で一体何を考えているの?
でも、彼が浴室に入るのを見て、時枝秋は本当に心配になった。出てきた後に、あんなことやこんなことをするんじゃないかと。
今の彼の様子だと、まるで未成年のようで、時枝秋にはそんな趣味はなかった。