「まさか!」
時枝秋がこんなことできるはずがない!
彼女は芸能界のアイドル歌手に過ぎないし、歌だって自分で作っているとは限らないのに!
小林佳澄がそう考えた瞬間、時枝秋はエンターキーを押して言った。「できました」
水野学長は傍らで見ながら、感心して思った。さすが堀口景介の妹だ、この頭脳は本当に素晴らしい!
ただ残念なことに、どうしても定戸市大学に来てくれない。専攻は自由に選ばせても来ないんだ。
水野学長は以前、物理学科のために黙祷し、その後数学科のために黙祷し、さらに映像演出科、声楽科のために黙祷し、今度は情報工学科のためにまた黙祷することになった。
季山梨香が言った。「早く再生してみましょう。何か手がかりが見つかるかもしれません」
彼女は小林佳澄と時枝雪穂の親密な関係を知らないので、当然時枝秋ほど彼女たちの動機を理解していなかった。