第245章 時枝秋を体育学部へ

時枝秋がドアを開けると、最初に時枝雪穂の姿が目に入った。見たくない人に対して、時枝秋の態度は良くなかった。

彼女は眉目を少し伏せ、その物憂げな様子に冷たさが混じっていた。ゆっくりと季山梨香の側まで歩いていった。

季山梨香は彼女に紹介した。「時枝秋、こちらは定戸市大学から来られた菊地健夫先生よ。時枝雪穂さんが紹介してくれたの。もし定戸市大学の推薦入試に合格できれば、菊地先生の下で学べるわ」

「へぇ?」時枝秋は時枝雪穂を一瞥した。

彼女が自分に先生と試験を紹介する?

太陽が西から昇るようなものだ。

時枝雪穂は慌てて説明した。「季山先生、推薦入試は明日からなんです。実は菊地先生は事前に学生を見に来られたんです。適任な生徒がいれば、試験に合格しなくても定戸市大学に入学でき、菊地先生の下で学べるんです。私が菊地先生に時枝秋を推薦したんです」