第257章 社会的な死

時枝秋は怠そうに言った。「来週の月曜日に全校集会があったはずだけど?大げさにする必要はないでしょう」

時枝雪穂は「……」

彼女はそのことを忘れていた!

時枝雪穂は声を柔らかくして「秋、菊地先生は先生なんだから、あなたは……」

「なぜダメなの?お上は火を放って良くて、民は灯りもつけちゃいけないの?」

「あなた……」時枝雪穂は一時言葉を失った。

菊地健夫は「個人的に謝罪すれば良いんじゃないか?私が悪かった」と言った。

この謝罪は、爪の先ほどの誠意もない。

菊地健夫も確かに水野学長の顔を立てて謝罪に来ただけで、そうでなければ時枝秋のことなど全く気にも留めなかっただろう。

時枝秋は目の端でも彼を見ることなく、ただ制服に付いていない埃を払うような仕草をした。

「用がないなら、私は行きます」時枝秋は鞄を持って数歩歩き出し、振り返って「忘れないでね、来週の月曜日」