第268章 偽物を持って

まして、時枝秋が話したくても、もはやその機会はないでしょう。これは二つの会社間の問題に関わることで、時枝秋一人の意見では決められないのです。

それに、芸能界でも証拠が必要です。時枝雪穂は小林凌のために、まだ正式な婚約はしておらず、普段は名家としての付き合いだけで、パパラッチでさえ何も撮れません。時枝秋が噂を広めても、小林凌のファンに非難されるだけでしょう。

時枝雪穂は優しく言いました:「秋、佳澄はそういう意味じゃないわ、気にしないで。でも、小林お兄さんはあなたが見ていた服の生地が好きじゃないから、そんなお金を使わないほうがいいわ。」

小林佳澄だけでなく、彼女も時枝秋がまだ小林凌に未練があると確信していました。

この前、時枝秋があるイケメン俳優と一緒にいるのを見かけましたが、小林凌のようなトップスターと、若手イケメン俳優が比べられるはずがありません。