安藤誠は眉をひそめた。これはいけない。
このような手配は、文岩薫里にとって明らかに不利だった。
同じ番組の手配なのに、利益を得るのは時枝秋だ。そんな道理はない。
彼は最近の別のイベントを思い出し、心の中で考えをめぐらせた。
最近オリンピック競技があるじゃないか?
これまでの競技開催地は海外だったが、今回ついにS国の番となり、国内で開催されることになった。
より多くの人々にこの競技を理解してもらい、関連知識を学んでもらうため、今回の主催者側は競技全体の生中継を行うことにした。
文岩薫里は以前国内で一等賞を獲得しており、現在主催者側は重要なゲストを探している。
その中で少し働きかければ、文岩薫里と時枝秋をゲストとして招くことができる。それはちょうどいいじゃないか?
考えたらすぐに行動に移した。