第279章 その成績は偽物だ

「どうしたの?」

「中野監督、これを見てください」銭場理香は時枝秋の成績を中野義方の前に置いた。

中野義方は口をすぼめて、「これは本当なのか?」

理屈から言えば、木村裕貴が偽のスクリーンショットで人を騙すはずがない。

しかし、時枝秋がこんなに良い成績を取ったのなら、なぜ宣伝しないのか?

彼女の学校はなぜプレスリリースを出さないのか?

文岩薫里に完全に負かされているのに、なぜ声を上げないのか?

記者のインタビューで、なぜ自分の成績は普通だと言ったのか?

銭場理香は疑問が次々と湧いてきた。しかし、マネージャーがタレントの偽の成績データを使って商業主から利益を搾取することは、よく見かける光景だった。

商業主は搾取されて非常に怒っているが、時には仕方がないこともある。契約は自分たちで結んだのだから。