成績が他人より良い人がこう言うと、みんなは謙虚だと思うだろう。
しかし、成績で圧倒されている人がこう言うと、なんとも微妙な感じがする。
文岩薫里も続けて言った。「そうですね、比べる必要はないと思います。時枝秋の言う通りです。」
記者はついでに時枝秋のストロベリーミュージックフェスティバルでの予定について尋ねると、時枝秋は簡単に説明した。
文岩薫里も続けて言った。「残念ながら、私は今回の大会のゲストとして出演しなければならないので、フェスティバルには参加できません。時枝秋、楽しんでくださいね。」
時枝秋は彼女を一瞥し、淡々と言った。「では、インタビューを続けてください。私は先に失礼します。」
記者は今日の重点が文岩薫里だったので、時枝秋を追いかけてインタビューすることはせず、文岩薫里に質問を向けた。
時枝秋が会場に入ると、夏目先生が彼女を呼び止めた。「さあ、時枝秋、早く集合しましょう。」
彼女は時枝秋を日本代表チームのメンバーの間に連れて行った。
各チームは6人のメンバーで構成されており、現在、日本側の他の5人は全員揃っていた。
みんなは、この謎の6人目のメンバーが誰なのか推測していた。
夏目先生が時枝秋を連れて来て、紹介した。「皆さん、これが最後のメンバーの時枝秋です。今日は皆さんと一緒に日本代表として戦います。競技は個人戦ですが、油断せずに頑張りましょう。個人の成績は自分自身を表しますが、総合成績は日本を代表するものです。自信はありますか?」
「はい。」みんなの声は少し力なかった。
時枝秋に対して疑問を抱いていた。
5人が一等賞なら、時枝秋を引き上げて、日本を上位に導くことができるのだろうか?
みんな心の中でこの質問を自問自答し、答えは、難しいというものだった。
「自信はありますか?」夏目先生は再び大きな声で尋ねた。
「はい!」今度は、声がようやく揃った。
時枝秋はこれらを気にしていなかった。
大会はまもなく始まり、午前と午後に分かれて行われ、毎回3問の問題が出題され、解答時間はそれぞれ4時間半だった。
1問につき1時間半の時間が与えられ、問題の難しさが想像できる。
各国の選手が準備を始める中、司会者は文岩薫里と他の2人のゲストを迎え入れた。