第288章 職業人生最大の挑戦

「そうよ、時枝秋が好きな人のことを堂々と言えるなんて、隠してる人たちよりずっといいわ。まさか自分のアイドルが天女で六根清浄だと思ってる人がいるの?」

「応援してるわ、時枝秋!何をしても、私たちはずっと愛してるわ!」

小林凌のファンも割り込んできた:「時枝秋、諦めなさいよ。私たちの凌が貴女なんか見向きもしないわよ。月の光が私の心だなんて、月も侮辱されたと感じてるわ」

「しつこい女ね、相変わらず押しかけがましいわ。全然反省してないわね」

しかし、これらの人々はすぐに時枝秋のファンたちに追い払われた。

時枝秋は今大会に参加中で、一般の人気も絶頂期だったため、アンチファンもあまり暴れられなかった。

小林凌は彼女の言う人が自分なのかどうか見当がつかず、むしろ不安になってきた。

……

翌日は國際オリンピック大会物理競技の生中継だった。

文岩薫里は心を落ち着かせ、配信ルームに入った。

中野敏一と六田星見が相次いで入ってきて、中野敏一は間違えた問題のノートまで持ってきていた。文岩薫里が入ってくるのを見るなり、親しげに声をかけた:「薫里、この問題を説明してもらえないかな?」

「いいわよ」文岩薫里は前に出て説明を始めた。

自信も徐々に戻ってきた。

司会者が来て、配信が始まった。

中野義方がイヤホンを通して司会者に注意した:「今日実況する時は、宿題ヘルパーのことを多めに触れてください」

「分かりました」

彼はさらに文岩薫里にも注意した:「自然な形で、あなたが宣伝している広告に何度か触れてください。しっかり気合を入れて」

「はい」文岩薫里は承諾した。

彼女は既に予想していた。銭場理香の方は恐らくあまり喜んでいないだろうと。

銭場理香は「出撃せよ学力おばけ」という番組のスポンサーで、今回の全ての経費も出しており、番組の効果を必ず見たいはずだった。

しかし昨日一日中、時枝秋の大会参加のニュースだけで、優題APPは宿題ヘルパーAPPのダウンロード数とデイリーアクティブユーザー数を圧倒し、銭場理香側はかなりプレッシャーを感じていた。

中野義方もプレッシャーを感じていた。広告モデルは彼と銭場理香が一緒に選んだものだし、彼の番組もそれに責任を負わなければならなかった。

だから最善の策は、今日何度も口頭で宣伝することだった。