第293章 時枝秋、満点

夏目先生は思わず言った。「これはいいものですね。」

鈴木先生が続けて尋ねた。「どこで売っているんですか？」

彼らのような教師は、毎日無数の問題を研究し、代表チームを指導しなければならず、しばしば疲れ果てていた。もしこれを手に入れることができれば、普段から使えるし、毎日コーヒーを飲んで目を覚ますよりもいいのではないだろうか？

「私が買ってきましょう」と時枝秋は言った。「次回、お持ちします。代理購入で。」

なかなか手に入らないものらしく、鈴木先生はすぐに同意して、スマートフォンを取り出した。「先に代金を送ります。」

「いいえ、私も買うので、ついでに買えばいいんです。」時枝秋は頑として受け取らなかった。

何度か接する中で、彼女はこれらの先生方の好意と丁寧な指導を見逃すことはできなかった。

彼らは外部で授業をすれば5桁の収入を得られるのに、よく夜にビデオ通話で時枝秋に自主的な補習を提供していた。

もちろん、時枝秋は毎回用事があると言って丁重に断っていた。

蘭亭花序で栽培できるものなのに、どうして彼らからお金を受け取れようか。

先生方も細かいことにこだわる人たちではなかったので、時枝秋がそう言うのを聞いて、無理に支払おうとはしなかった。

時枝秋は椅子の背もたれに斜めにもたれかかり、だらしない姿勢で壇上を見つめていた。

今回は主催者側だったため、成績発表は他国から始まった。

今回の参加国は全部で25カ国。

ロシア、アメリカ、カナダといった伝統的な強豪国を筆頭に、他の国々も実力は侮れなかった。

主催国はこれらの競技で大きな優位性を持っていたが、これらの国々もこの大会をますます重視するようになり、過去3年連続で、主催国は個人成績も総合成績も2位に甘んじていた。

先生方が焦るのも無理はない。

案の定、アメリカ、カナダ、ロシアの数学で41点という成績を聞いたとき、夏目先生はまた水を猛烈に飲み始めた。

数学の満点は42点。

41点はほぼ満点に近い。

規定により、上位5パーセントの学生は全員金賞で、41点は間違いなく金賞だった。

そして代表チームの総合成績は、学生の得点を合計してランク付けされる。

学生の得点が高ければ高いほど、チーム全体の順位も上がっていく。

現時点での数学チームの全メンバーの合計点：

アメリカ227点、