藤原修は腕で彼女の腰をきつく抱きしめ、自分の方へ引き寄せた。
彼は頭を下げ、彼女の言葉を全て遮り、口に出すことを許さなかった。彼は彼女を完全に自分のものにしたかった。
……
時枝秋は残された空気の中で必死に呼吸し、やっと胸の中の圧迫感を和らげることができた。
彼女が解放された時、唇の赤みはより一層鮮やかになっていた。口紅は完全に消えていたのに。
藤原修は少し腫れた彼女の唇に指を触れ、表情に後悔の色が浮かんだ。やはり自分は力を入れすぎたようだ。
時枝秋は笑って言った:「私はこれが好き」
彼女は顔を上げ、薄紅色の唇は君の摘み取りを待つかのようだった。
それに誘われ、藤原修は再び頭を下げて彼女の赤い唇を我が物とした。
今度のキスは、とても軽く浅く、自分の動きを抑制していた。