第317章 お茶くさい、マジ最低!

「佳澄、萩原お坊ちゃまも知らないの?彼は萩原家の人よ。萩原家は四大家族を超越した存在として知られているのよ」浜家秀実は自分の目が節穴だったことを悔やみ、今になって萩原衡だと気づいた。

萩原衡はもうずっと前からここにいたのだろうか?

小林佳澄は即座に顔色を変えた。つまり、先ほど自分が失礼な態度を取ってしまった相手は萩原衡と、その友人だったということか?

では、あのステージに上がった男性は誰なのだろう?

「伯母様、あのステージに上がった男性は一体誰なのですか?」小林佳澄は尋ねた。それはつまり、その男性も並々ならぬ身分の持ち主だということを意味しているのではないか。

「その男性が誰であれ、今は萩原お坊ちゃまのことを先に話しましょう」浜家秀実は数歩前に出て、萩原衡の側まで歩み寄った。「本日は萩原お坊ちゃまにお目にかかれて、大変光栄です」

時枝清志、小林のお父さん、小林のお母さんも萩原衡の存在に気付いた。

彼らも萩原衡の噂を聞いただけで、他の人々のことは知らなかったが、たった今面目を失ったばかりにもかかわらず、親交を結ぼうという心があった。

まるで萩原衡の友人に面目を失わされたことも、さほど恥ずかしいことではないかのように。

小林凌と時枝雪穂は二人とも少し気まずそうだった。結局、本当に面目を失ったのは彼ら二人なのだから。

しかし、両親のこのような態度を見て、心の中にはやはり一抹の期待が残っていた。もし萩原衡が今、時枝家と小林家に興味を示してくれたら、双方の関係が少しでも繋がるのではないだろうか?

見物人の群衆がまだ散らずにいる中、浜家秀実は大声で言った。「萩原お坊ちゃま、あなたは時枝秋さんとお友達なのですよね?実は時枝秋はこの十数年間、時枝家で過ごしてきて、私たちの間の絆も深いのです。今回も本来なら、時枝秋と雪穂の誕生日を一緒にお祝いする予定でした。あなた方が時枝秋のお友達なら、それは時枝家の友人でもあるということです。こう言いましょう、今日は実は時枝秋と一緒に誕生日をお祝いしたいと思っているのですが、皆さんいかがでしょうか?」

周りの人々はこれを聞いて、浜家秀実は少しうるさいものの、人としては悪くないと感じた。

時枝秋に対する態度も悪くはない。