青木空が飛び出してきた。「よし、説明してみろ!何があったのか説明してみろ!言ってみろ、言ってみろ!」
彼女は小林佳澄のやり方を真似て、浜家秀実はしばらく反論の余地もなかった。
周りから非難の声や噂話、様々な罵声が絶え間なく聞こえてきた。
「みんな、もういいよ。母はそんな人じゃない。VCRだけでは全てを語れないわ!」時枝雪穂は大声で言った。
「じゃあ何が言えるんだ?」萩原衡が尋ねた。「お前たちが時枝秋によくしてたって?それとも何?お前たちが彼女によくしてたなら、そんなVCRは撮ってないだろう?それとも、俺たちはお前たちに時枝秋に無条件で優しくしろとは言ってないぞ。だから今日みたいに、それぞれが自分の誕生日を祝うだけで、お前に優しくしろとも頼んでない」
「そうそう」みんなが同意して頷いた。「時枝秋さんは自分の誕生日を楽しく過ごしてて、やっと報われたんだよ。明らかに時枝家が事を荒立てようとしてるだけじゃない」