第320章 エッチな動画

十数件のメッセージは全て動画だった。

サムネイルを一瞥すると、目を覆いたくなるような人影の絡み合いが見えた。

藤原修の表情が一気に暗くなった。

前回、萩原衡がこの件について触れた時、彼はその場で断った。

まさか、これほどの時が経っても、彼がこんなにたくさんの物を送ってくるとは。

藤原修はこめかみがピクリと痛むのを感じ、顔を上げると、時枝秋の視線が向けられていた。

少女の眼差しは非常に澄んでいて、その瞳は水のように純粋で、唇の端にはクリームが付いており、その清純さにさらなる色気を添えていた。

この自覚のない魅力は、くそっ、心を揺さぶる!

藤原修は落ち着いて萩原衡のメッセージをタップし、これら全てを削除しようとした。

彼は長い指で素早く操作し、時枝秋が自分の携帯にこのような物があることに気付く前に、全てを跡形もなく消し去りたかった。

しかし、半分ほど進んだところで、手が滑り、削除ボタンではなく、直接動画を再生してしまった。

萩原衡がどこから手に入れた動画なのか分からないが、前触れもなく、開いた瞬間から、あの忌々しい喘ぎ声が流れ出した!

藤原修の手が再び滑り、携帯は床に落ちた。

ケーキを食べていた時枝秋も、この声を予期せずに聞いてしまった。

彼女は少し驚いて、藤原修を見た。

つまり、藤原修がこんな遅くまで休まずにいたのは、ここでアダルト動画を見ていたということ?

彼女と藤原修の視線が絡み合う。

気まずい。

二人とも大きな気まずさを感じていた。

時枝秋はケーキを置いて「じゃあ私は先に…」

「行く」という言葉を言い終える前に、藤原修が彼女の手首を掴んだ。

彼は低く沈んだ声で「違う」と言った。

その口調は非常に真剣だった。

実際、そうだったとしても構わない、時枝秋には理解できた。

しかし彼が違うと言うなら、時枝秋にはそれが確かに違うのだと分かった。

つまり実際は…あの悪友たちが送ってきたものなのだろう?

あの悪友たちのことを思い出し、時枝秋は思わず呆れた。深夜にこんなものを送ってきて、体を壊すのが怖くないのだろうか?

時枝秋は床を指差した。

藤原修はそこで気付いた。あの極めて気まずい声がまだ続いていることに。

彼は軽く咳払いをし、携帯を拾い上げ、再び削除を行い、ようやく萩原衡が送ってきたものを完全に消し去った。