第336章 紺野教授名実共に相応しい

小林凌は時枝秋の名前を聞いて、眉をわずかに寄せた。

前回、彼が時枝秋に電話をかけたとき、すぐにブロックされてしまい、非常に気分が落ち込んでいた。

彼は時々、時枝秋が何の駆け引きをしているのか本当に理解できなかった。

彼は確信していた。時枝秋はまだ自分のことを忘れていないはずなのに、全く連絡を取ろうとせず、むしろ避けているようだった。

もしかして、彼女は萩原衡たちの誰かと付き合い始めたのだろうか?

そんなはずはない!

あの連中の家柄では、女優である時枝秋なんて絶対に受け入れられないはずだ。

それに、あの連中は誰一人として自分ほどイケメンじゃない。時枝秋が顔フェチでなくても、自分より下の男を選ぶはずがない。

小林凌がそんなことを考えているうちに、時枝秋と堀口正章は記者たちに囲まれながら現れた。

二人は今、最も注目を集めている存在で、話題性は次から次へと、どれも爆発的だった。

ある意味で、記者たちは小林凌よりも彼らにインタビューしたがっていた。

「時枝さん、今日は本当に綺麗ですね。そのドレスはどこのブランドですか?」

時枝秋は今日、星空のようなイブニングドレスを着ていた。宇宙のような青のグラデーションが彼女の体に上から下へと流れ、星々が輝きを放ち、まるで本物の星空を身にまとっているかのようだった。

時枝秋は好きな人がいると公表してから、服装の制限がなくなり、着るドレスは一回一回より美しくなっていった。

彼女が微笑むと、その場が明るく輝いた。「これは二番目のお兄さんがデザインしてくれたんです!私、星空が大好きなので、それをイメージして今夜のドレスをデザインしてくれました。」

「わあ、堀口正章さんの作品なんですね!だから素敵なわけですね!」

「本当に今夜のベストドレスですね!」

「時枝さんは幸せですね、堀口正章さんのようなお兄さんがドレスをデザインしてくれるなんて。」

「でも堀口正章さんも幸せですよね、時枝さんのような妹さんがこんなドレスを着てくれるなんて。」

これらの言葉を聞いて、沢口満は何故か安堵のため息をついた。

堀口正章はレディースのみをデザインし、メンズはデザインしていない。というより、今回の授賞式には彼のメンズウェアを着用している人は誰もいなかった。