第333章 何事も時枝秋フィルターで見る

やはり堀口正章は名が知れ渡っており、誰もが彼のところは予約が取れないことを知っていた。

しかも、海外では、彼の名声はS国よりも高く、王室でさえ彼のところで順番待ちをしなければならないと聞いている。

紺野広幸が携帯を片付けると、アシスタントが近づいてきて、顔に困惑の色を浮かべた。「紺野先生、GUの衣装が持ってこられませんでした。」

「どうしたの?GUが今回の衣装を提供することになっていたはずだけど?」

GUは世界的ブランドとは言えないが、現在国内では一流ブランドと言えるものの、国際的な展開にはまだ少し水準が足りない。

今回、紺野広幸のチームは真夏の夜の音楽祭で彼らの衣装を着用して出演することを、長い交渉の末にようやく獲得できた。

GUも紺野広幸に衣装を貸すことに同意していた。