第332章 彼女が妹だからね?

時枝秋は目を開け、笑顔で顔を上げ、彼の唇に近づいた。

時枝秋が寝たふりをしていただけとは思わなかった藤原修は、瞳に驚きが浮かんだが、彼女にキスされると、すぐに目に笑みが宿った。

藤原修は腕を伸ばし、彼女を抱きしめて自分の胸に引き寄せ、キスを深めた。

しばらくして、時枝秋はようやく彼の腕の中で息をつく余裕を見つけた。

「今日はどうしてこんなに時間があるの?」藤原修は彼女の髪を撫でながら尋ねた。

「会いたくなったの」時枝秋は真剣に言った。結婚指輪の日付を見て、彼に会いに来たいという思いが湧き上がったのだ。

彼に会えてこそ、心の中でずっと渦巻いていた感情がようやく落ち着くのだった。

その言葉は藤原修を喜ばせ、目尻や眉までもが笑みに染まった。

彼は手のひらを彼女の首筋に置いた。「今度忙しい時は、会いたくなったら言ってくれ」