この薬は、本来なら相応の実験や更なる研究が必要なはずだ。
時枝秋はどうやってそれを作り出したのだろう?
彼女の表情を見て、時枝秋は笑った。「私は薬の研究をしただけよ。他人の体を研究したわけじゃないわ。何を考えているの?」
藤原修は考えすぎていたことを時枝秋に指摘され、少し気まずそうに軽く咳払いをした。
時枝秋は彼の腕に手を回し、笑いながら言った。「薬を使うときに、あの人たちの体の構造を観察する必要があると思う?」
「ごほんごほん」藤原修は完全に質問をやめた。
時枝秋はさらに説明を加えた。「人体構造を研究するにしても、横澤博己なんかを使うわけないでしょう」
藤原修:「……」
二人が個室に入ると、萩原衡たちがすぐに出迎えた。「お姉さん、あっちで何か起こったって聞いたんですが、一体何があったんですか?」