「はい」時枝秋は答えた。
黄瀬覚は指で彼女を指しながら言った。「約束だよ」
葉山彩未は、この黄瀬監督の様子から、まるで子供がお菓子をもらったような興奮した表情を見て取った。
葉山彩未が最初に入室し、一番目の番号札を受け取ったため、黄瀬覚は彼女にすぐにオーディションを始めさせた。
葉山彩未の演技は今では大きく進歩しており、シーンを引いた後、少し準備をして、要求通りに演技を披露した。
黄瀬覚のプロの目から見ると、彼女の演技は一流とは言い難いが、自然で説得力があるという長所があり、それは非常に重要なポイントだった。
撮影チームに加入後、少し調整すれば、役をこなせるはずだ。
彼の心の中では、すでに時枝秋の友人を第一候補として考えていた。
後で驚くほど素晴らしい俳優が現れない限り、葉山彩未に決定だった。