第389章 人が来て、また去った

本当に石杜健の側にいたあの助手だった。

小林達朗がまだ近づく前に、アンドリューは既に車に乗って去っていった。

木村裕貴は物を持ち帰り、時枝秋に渡した。

時枝秋はそれを受け取って「ありがとう」と言った。

「あのアンドリューという人は...」小林達朗は唇を動かして、「知り合いですか?」

「いいえ」時枝秋は正直に答えた。「友人の代わりに物を届けに来ただけです」

小林達朗は以前一度国際漢方病院に行ったことがあったが、アンドリューにさえ会えなかった。まして石杜健なんて言うまでもない。

アンドリューが物を届けに来る?

「では石杜健は?」

「私の友人です」と時枝秋は言った。

小林達朗は口をパクパクさせた。

横澤晃は張本豊年の向かいに座って資料を見ていた。

彼の携帯にWeChatのメッセージが入った。