第416章 時枝秋は試験に合格できるのか?

むしろ失望もしていなかった。時枝秋なんて、張本豊年はもともと好きではなかったのだ。

陸田円香に関しては、彼は聞いたこともなく、まったく気にしていなかった。

「おめでとう、副院長」張本豊年は名簿を大野平に渡した。

……

昼、陸田円香は熱心に三人でのお祝いに何か美味しいものを食べに行こうと提案した。

「時枝秋、佐和子、何が食べたい?」陸田円香が尋ねた。

「私は何でもいいわ」中野佐和子の声はとても小さかった。

「じゃあ、羊の丸焼きにしよう!」陸田円香が言った。「久しぶりに思いっきり肉を食べてないし。みんな定戸市の羊肉は特別美味しいって言ってるわ」

「多すぎるよ、私たち三人じゃ半分も食べられないよ」時枝秋は同意しなかった。

「じゃあ火鍋にしよう。ちょうど涼しくなってきたし、食べるのにぴったり。あるいは鍋にしよう、牛肉の鍋は栄養があるし、羊肉の鍋は滋養になるわ」