第423章 きっと価値がある

これらの人々の考えは、六田凛と同じだった。

時枝秋は、おそらくこの20数秒だけが人前に出せるものなのだろう？

たった20数秒の動画だけで、一世代の新城監督に選ばれた女優を打ち負かしたというのは、説得力がない。

ファンたちが彼女が上手く演じられることを必死に証明しようとしても、大衆の意志は覆せないものだ。

時枝秋は高々とトレンドにあげられた。

批判の声が雲のように湧き上がった。

#六田凛がかわいそう#がトレンドランキング第2位に安定して位置していた。

#監督の目が節穴#が第3位。

#『大宋の栄光』が台無しに#が第4位。

その時。

撮影現場の外で。

田中監督たちと別れた後、時枝秋と藤原修は車に乗り込んだ。

車に乗るなり、時枝秋は彼のネクタイを引っ張り、尋ねた。「生活アシスタントって、どういう意味？」