第434章 治ったぞ!

しかし心の中の絶望は抑えることができなかった。もし状態が本当に悪化すれば、虫垂炎が更に深刻な腹腔内瘻に発展し、様々な合併症を引き起こす可能性が非常に高く、その時の結果は想像したくもなかった。

彼は後悔していた。この医療奉仕活動のために、自分の病状を適切に処置せず、一時の油断が一生の後悔につながるかもしれないと。

ようやく、時枝秋の方で薬草が煎じ終わった。

「彼に飲ませて」時枝秋は高木孝明に言った。

高木孝明と龍崎元輝は、どちらも漢方医療のこの一連の治療法をあまり信じていなかった。

今の田中先生と龍崎元輝のような場合、現代の医療機器があれば、関連する検査を経て、病巣がどこにあるかを明確に見ることができ、それから関連する治療と投薬を行えば、問題をすぐに解決できるだろう。

彼らと時枝秋との違いは、環境要因だけだった。

しかし、この状況になっては、二人ももう頑固にならず、人が死なない程度なら、時枝秋が飲めと言うなら飲むしかなかった。

龍崎元輝はすぐに大きな椀の薬を飲み干した。

しばらくすると、彼のお腹の痛みはさらに激しくなった。

時枝秋はもう一杯持ってきた。「続けて飲んで」

「時枝秋、もう飲まない方がいいんじゃないか?救急車はもう来る途中だ」高木孝明は彼女の薬を見た。それらは道端で採取したもので、薬効がどれほどあるか分からなかった。

虫垂炎は腹腔感染を起こしやすく、これを飲んだらどんなことが起こるか分からない。

腸穿孔でもしたら、結果は深刻すぎる。

「飲まなければ、救急車が来るまで持たないかもしれない。自分で選びなさい」時枝秋は椀を彼らの前に置いた。

龍崎元輝は痛みで唸り始め、汗が雨のように流れ落ちた。

時枝秋は椀を置くと、田中先生の状態を確認しに行き、彼らにはあまり構わなかった。

龍崎元輝はしばらく考えた後、覚悟を決めて薬を手に取り、一気に飲み干した。

飲み終わると、彼のお腹の痛みはさらに激しくなった。

高木孝明の顔色が暗くなった。

龍崎元輝はお腹の中で一陣の絞り痛を感じ、言った。「トイレに行きたい」

高木孝明は彼を支えて一緒に行った。

陸田景久が薬草を掘り起こして戻ってきた。時枝秋はそれを確認して、「これで間違いない。お湯を沸かして薬を煎じて」と言った。

「田中先生の状態はどうですか?」