第454章 お前のような部外者が心配する必要はない

唐沢咲良は慌てて弁解した。「奥様の周りには人が多いですが、秦野さんの側には誰もいないので、こちらの方が便利かと思いまして」

「へぇ、男女二人きりで一室にいるのが、本当に便利なのかしら?」

「時枝さん、どうしてそんな風に言うんですか?私は心から謝りに来ただけで、他意はありません。仮に他意があったとしても、ここは秦野家ですし、私は秦野さんと初対面なのに、何ができるというのですか?あなたはそんな根拠のない疑いをかけて、私だけでなく秦野さんのことも疑っているんです。みんな秦野さんが奥様にどんな気持ちを持っているか知っているのに、あなたはそんなことを言って、秦野さんを疑い、ご夫婦の心に傷をつけるつもりですか?」

秦野おばあさんと秦野夫人もまさにそのことを考えていたので、事態を大きくしたくなかった。