重岡恒星は尋ねた。「じゃあ、彼は自分で私と会話して遊べるの?」
「試してみたら?」小さなロボットが彼を一発殴った。
同時に、時枝秋はカメラマンの方を向いて話しかけた。「先生、フルーツはいかがですか?」
コメント欄は沸騰した。「すごすぎる、同じロボットが欲しい!」
「欲しい!」
「時枝秋、同じの出さない?」
「万人血書で同じの出して欲しい。」
時枝秋がこのコードを修正したことで、ライブ配信では時枝雪穂側にはほとんど視聴者が残っておらず、今ではみんな時枝秋の配信に殺到していた。
時枝雪穂側に残っている人の多くは夏目休を見るためだったが、夏目休も時枝雪穂とあまり話さないので、カメラに映る時間も少なく、そちらの視聴者はさらに減っていた。
特にこちら側では重岡恒星がおおらかでおちゃめなキャラクターで、小さなロボットにからかわれて四苦八苦している様子が、視聴者をとても楽しませていた。
ディレクターが文岩望と時枝雪穂のところに走ってきて尋ねた。「文岩師匠、雪穂さん、時枝秋のところに行きませんか?」
カメラマンが横に移動し、時枝雪穂はマイクのスイッチを押して「あちらに行って何をするの?」と言った。
「今、あちらの方が視聴者が多いんです。」ディレクターは向井社長が声をかけてくれたことを考慮して、時枝雪穂に特別な配慮をしていた。
「私は行かないわ。」時枝雪穂は首を振った。自分のパフォーマンスなら時枝秋に負けるはずがないと信じていた。
文岩望も首を振った。「私も行きません。」
彼は先入観から時枝秋を全く評価しておらず、今回の番組出演も時枝雪穂を応援するためだった。
林田照は二人が行かないのを見て、主人として自分だけ離れるのは気が引けたので、彼らと一緒に音楽の話を続けた。
夏目休は行きたかったが、時枝秋の自分に対する態度を知っていたので、少し考えた後、再び缶コーラを手に取り、むっつりと飲み始めた。
夜になり、その日の収録が終わり、ようやく皆休むことができた。
時枝雪穂はツイッターをチェックして、自分の話題性を確認しようとした。
マネージャーは既に彼女のためにハッシュタグを購入していた。
現在30位台にランクインしていた。
しかし時枝秋は複数のハッシュタグがトップにランクインしていた。
重岡恒星の名前さえもランクインしていた。