第485章 私が彼を守る理由なんてない?

幸いなことに、この件はすでにツイッターで広まっていて、もはや秘密でもなかったので、時枝雪穂はなんとか嘘をつくことができた。

「うん、記憶力がいいね」と時枝秋は淡々と言った。

文岩望の視線は時枝雪穂に向けられ、表情には複雑さが、目には隠しきれない疑いの色が浮かんでいた。

ただ、カメラの前だったので、彼は直接質問することはなかった。

しかし、一度心に刺さったとげは、もう抜くことができない。

他の人たちも一瞬疑いを抱いたが、自分には関係のないことなので、あまり詮索するのも適切ではなく、誰も多くを語らなかった。

時枝秋はそれ以上その話題を続けず、こう言った。「撮影はほぼ終わりましたね。祝園さんが食事に誘ってくれているので、みんなで行きませんか?」

ディレクターは気を利かせてカメラの電源を切り、ライブ配信はここで終了した。