第508章 私の自由

時枝秋は淡々と眉を上げて言った。「時枝家のものを、私が欲しいかどうかは、私の自由です。そしてあなたたち...一人は母親のお腹の中の子供を傷つけ、もう一人は分を越えて私をネット上で叩かせようとした。私が警察に通報するかどうか、責任を追及するかどうかは、私の自由であるだけでなく、法律を尊重する市民としての基本的な態度でもあります!」

時枝お爺さんは厳粛な表情で、時枝清志も秋の行動に賛同し、母娘に対して極度の失望を示した

終わった、終わった。

すべてが終わった。

浜家秀実と時枝雪穂は、魂が抜けたように床に座り込んだ。

彼女たちを待っているのは、法の厳しい罰だった。

……

藤原修は時枝秋と一緒に時枝家を後にした。

雪穂母娘は厳しい罰を受けたとはいえ、彼は知っていた。時枝家がこのような状態になったことで、秋の心も穏やかではないだろうと。

彼は秋の指を握った。

秋の冷たい指先に彼の温もりが伝わり、心の寂しさも和らいだ。

今夜、彼はずっと彼女の側にいて、守護者として彼女の隣に立っていた。

このことが彼女に最大の安心感を与えた。

彼が側にいることで、彼女はどんな嵐にも恐れることなく立ち向かえた。

この事件の後、雪穂と秀実はネットユーザーたちの非難の声に完全に埋もれてしまった。

母娘の争いに加え、ネットユーザーの力を借りて秋を攻撃しようとした彼女たちは、最も強力な反発を受けた。

人々は、このような娘が母親を害し、母娘が共謀して詐欺を働くような行為に厳罰を与えるよう連名で要求し、後に続く者が真似をしないようにした。

……

重岡家。

「つまり、この財産は私にくれるということですか?」重岡恒星は信じられない様子で財産契約書を見つめた。

時枝お爺さんはうなずいた。「あなたにあげるものです。」

すでに時枝秋から聞いていたとはいえ、恒星はまるで夢の中にいるようだった。

彼は時枝お爺さんを見て、そして秋を見た。

秋は何も言わず、彼自身で選択するよう促した。

重岡のお母さんは傍らに座り、その態度には不安が見えた。

彼女は正直な人で、これまでの年月、こっそりと息子を育て上げたことが彼女のした最も大胆なことだった。彼女はいつか時枝家が来て自分の息子を奪っていくのではないかと恐れていた。