時枝お爺さんは少し安心した。「この気骨が、良いことなのか悪いことなのか分からないな。」
重岡恒星からLINEが来た。
時枝秋はそれを開いて見た。
「実はあの契約書を見たとき、心が動かなかったというのは嘘だ。現金だけでも、あれだけの桁数だ。私はこれからの人生でもう二度とあんなに多くの桁数を見ることはないだろう。」
「心が動いたなら行動あるのみ。」時枝秋は返信した。
「帰ったら、母はどうすればいいんだろう?彼女の立場はあまりにも微妙だ。」
時枝秋はすでにこの理由を予想していた。
彼女はしばらく考えてから文字を打った。「あなたが強くなれば、彼女をもっとよく守ることができる。」
「じゃあ、自分なりの方法で強くなっていくよ。」
「頑張って、きっとできるよ。」
……
時枝雪穂と浜家秀実の一件は、二人が刑務所に入ることで決着した。