青木岑は昨夜よく眠れず、大きな隈を作って起床し、お粥を煮て卵焼きを二枚作って第四病院へ持って行った。
今日は夜勤なので、昼間は時間があり、疲れるけど幸治の授業に支障をきたすわけにはいかない。
「お母さん、ご飯持ってきたよ」
「持って帰りなさい。食べないわ」永田美世子は相変わらず不機嫌だった。
「食欲がないなら少しだけでも。本当に美味しいよ。私が作ったの。清潔で衛生的だから。ここに置いておくね」
その後、青木岑は朝食をテーブルの上に置き、病室を簡単に片付けてから出て行った。
青木岑が出て行った後、永田美世子はテーブルの上の朝食をちらりと見た。お腹が正直にグーグーと鳴り出した。
ドアの方を確認すると、青木岑が戻って来ていないのを見て、すぐに朝食を手に取って食べ始めた。