第42章:終わり

「ああ、先に入って少し待っていて。歯を磨いて顔を洗うから」青木岑はドアを開け、寺田徹を中へ通した。

彼は中に入ると、この小さな家をゆっくりと見渡し、様々な感情が込み上げてきた。

当時、青木岑と一緒に引っ越してきた時のことを覚えている。別々の部屋で寝ていたとはいえ、毎日顔を合わせられることが本当に幸せだった。もしあのクラス会での出来事がなければ、今頃は結婚式を挙げていたかもしれない。

寺田徹は青木岑の元カレを本当に憎んでいた。もう何年も前に別れているのに、なぜまた彼女に纏わりついてくるのか?

そんなにお金があるなら、他の女性を見つければいいじゃないか。なぜ青木岑に執着するのか?

青木岑は服を着替えた後、洗面所で身支度を整えた。出てきたとき、寺田徹がソファに座って新聞を読んでいるのが見えた。