第77章:計画

「冗談でしょう?お姉さん」

「いいえ、本当のことよ」

「誰と結婚したの?関口東?寺田徹?」熊谷玲子は青木岑が西尾聡雄と結婚するなんて夢にも思わなかった。

「どちらでもないわ」

「じゃあ誰なの?お姉さん、まさか勢いで結婚したわけじゃないでしょう?幸治さんはまだ病院にいるのに、結婚なんて余裕があるの?最近ストレスで精神的におかしくなってるんじゃない?大丈夫よ、心理医は言ってたわ、正気じゃない状態でした事は無効になるって。精神病患者が発作で人を殺しても無罪になるのと同じよ。誰と衝動的に結婚しても、明日精神鑑定書を取れば離婚できるから、心配しないで」

「玲子、私は衝動的でもないし、精神錯乱の状態で決めたわけでもないの。とても正気よ」

「お姉さん、怖がらせないでよ。私が数日帰ってこなかっただけで、こんな爆弾ニュースを聞かされるなんて」