「それはいいです。私の好みじゃないので」
「先輩、そんなに要求が高いんですね。どんなタイプが好みなのか教えてください。いい人がいたら紹介できますよ」
「やめて。あなた自身も彼氏いないでしょ?」青木岑は困ったような表情を浮かべた。
「私は単に好みが厳しいだけよ。そうだ、もし気に入らないなら、さっきの放射線科の医師の連絡先、私にくれない?」
「ええ、いいわよ」と言って、青木岑は全ての花を山田悦子の方に押しやった。
「全部ここにあるから、好きなのを選んでね」
「ありがとうございます、先輩」山田悦子は興奮した様子だった。
その時、診察室のドアが開き、看護師長が険しい表情で入ってきた。
「青木岑、ちょっと来て」
「はい」
「まずいわ、この件で老魔女まで知ることになっちゃった。気をつけてね」山田悦子は同情的な表情を浮かべた。