「動かないで、このまま抱かせて」西尾聡雄の声は優しく、青木岑は怖くて動くことができなかった。
「聡雄、何かあったの?」彼の様子がおかしいと感じた。
彼のあんなにツンデレで冷たい性格なのに、こんな風なはずがない。
「何でもない、ただ少し疲れて、君を抱きしめたくなっただけ」
青木岑はゆったりとした部屋着を着ていた。黄色で、スポンジ・ボブのキャラクターが付いていて、とても可愛らしかった。
髪は適当にまとめただけで、ふんわりと乱れていた。
西尾聡雄は紫がかった黒のシャツを着ており、袖口には高価なダイヤモンドが輝いていた。
彼は彼女の後ろでそっと抱きしめたまま、彼女特有の香りを貪るように嗅いでいた。
すると、落ち着かない心が一瞬で静まった……
青木岑が側にいると、突然世界が美しく見えてきた……