第137章:解雇

「うん、高いわ。とても高いの」西尾聡雄は意図的に言った。

「高いと思ってたわ。パッケージを見ただけでわかるもの。でも本当に美味しいわ。高いだけの価値はあるわね。ハーゲンダッツのアイスクリームみたいに」青木岑は感慨深げに言った。

「だからこそ、残業で疲れてる君には、良いものを食べてもらわないとね」

「それなら、残りを全部食べちゃおうかな」そう言うと、青木岑はさっと立ち上がり、残った小籠包と海老餃子を手に取って再び食べ始めた。

西尾聡雄は苦笑いを浮かべた……

病院で青木岑と暫く過ごした後、西尾聡雄は名残惜しそうに帰っていった……

青木岑がオフィスに戻ると、山田悦子から矢継ぎ早に質問を浴びせられた。

「先輩、早く教えて!あの男性、誰なの?」

「本当に友達よ」

「信じられない、信じられない。早く言って、新しい彼氏でしょう?」