第136章:好き

「医学を学んだのは、それがあなたの夢だったから」

西尾聡雄は一言一句丁寧に語った。

青木岑はその言葉に深く心を揺さぶられた……

彼女は全く考えもしなかった。西尾聡雄がアメリカで7年間医学を学んだのは、それが彼女の夢だったからだということを。

つまり、あの時二人が別れた後も、彼は彼女に関することを続けていたのだ。

しかも7年間も……こんなことをして、本当に価値があったのだろうか?

青木岑は暫く言葉が出なかった。ただ目に薄く涙が光っていた……

7年前、二人が付き合っていた時、国語の先生が「10年後」という授業をしたことを覚えている。

そして生徒一人一人に、10年後の自分の職業について想像して発表させた。

これは子供たちの心の中にある夢を引き出し、10年間努力する動機づけになるという。