第135章:夜食

「どうして病院に来たの?」青木岑が近づいて行き、少し意外そうに西尾聡雄を見た。

「夜食」西尾聡雄は青木岑の質問に答えず、手に持った食事箱を軽く掲げた。

実際、青木岑はお腹が空いていた。長時間働いて、疲れて空腹だった。

だから断ろうとした言葉が、口元で「ありがとう」に変わってしまった。

そして青木岑が食事箱を受け取ると、西尾聡雄がたくさん買ってきたことに気づき、すぐに半分を山田悦子に渡した。

「先輩、ありがとうございます」と言った後、山田悦子は小声で尋ねた。「先輩、あの人誰?すごくかっこいいですね」

「友達よ」青木岑は声を落として、こっそりと答えた。

「信じられません。友達が真夜中に夜食を届けに来るなんて。あ、邪魔しちゃいけませんね。先に失礼します」そう言って、山田悦子は夜食を持って事務室に入っていった。