「大丈夫よ。この件は院長が判断するから。私が電話したのは、あなたを安心させるため。余計な心配はしないで」
「看護師長、ありがとうございます」
「そうそう、私のいとこから電話があった?昨夜、急いであなたの電話番号を聞いてきたの。彼氏がいるって言ったのに、全然気にしてなかったわ」
「あ...はい、ありました」青木岑は認めた。
「普通の友達として付き合えばいいわ。あの子ったら、今まで誰にも目もくれなかったのに」看護師長は感慨深げに言った。
「はい」
電話を切ると、青木岑の気持ちはより複雑になった...
院長と産婦の家族との話し合いは決裂した。当然の結果だった。
結局、その家族の目的ははっきりしていて、一気に数百万円を要求してきたのだ。
病院側に大きな過失はなく、そんな大金を支払うことには同意できなかった。