西尾聡雄がメディアに圧力をかけた後、確かに騒ぎは収まった。
しかし、誰かが匿名アカウントで地元の人気掲示板に暴露記事を投稿した。
このインターネット時代、ユーザーが多く、その掲示板も元々人気があったため。
一石が千波を呼び、投稿が出るや否や、すぐに追随する人が現れ、結局この件は広まってしまった。
投稿者は患者の家族を名乗り、第一病院の闇を暴露し、看護師が醫師を装って手術し金を騙し取ったと告発した。
さらに、本来テレビ局が報道するはずだったが、病院が関係者に圧力をかけて握りつぶしたと激しく非難した。
この事件の闇の深さが窺える……
彼らは知らなかった。青木岑に関する報道を握りつぶしたのは、第一病院の関係者ではなかったことを。
それは彼女の夫である西尾聡雄が、妻を心配し、世論の攻撃から守るために手を打ったのだ。