第184章:酒癖

西尾聡雄が車から降りるまで、青木岑はようやく彼だと気づき、間抜けな笑みを浮かべて「あれ、あなたなの?どうしてここに?」と言った。

西尾聡雄は無言で黒い顔をしたまま、青木岑を抱き上げて助手席に放り込み、シートベルトを締めて車を発進させた。

西尾聡雄が仕事を終えて戻ってきた時には、もう10時近くで、今日は西尾邸にも立ち寄っていた。

父親は最近500億円規模の投資案件に目をつけていたため、西尾聡雄と相談したかったのだ。

結局、父子は意見が合わず話し合いは決裂し、西尾聡雄は出てきた時に青木岑の携帯に電話をかけた。

その時、青木岑はトイレに行っていて、山田悦子が電話に出た。

山田悦子も酔っていたので、もごもごとカラオケの場所を教えてしまった。

それで西尾聡雄はここまで来て、入り口で1時間以上待って、やっと青木岑が出てくるのを見かけた。