第221章:利益

「もちろん好きよ。でも桑原勝の周りには女が多すぎて、私には競争力がないわ」青木婉子は頭を下げて、自信なさげな表情を浮かべた。

「婉子、お母さんがプレッシャーをかけているわけじゃないけど、あなたが青木家に生まれた時から、結婚の自由なんてないのよ。あなたの結婚は利害関係だけを見ればいいの。恋愛なんて馬鹿げたことを言わないで。婉子、まだ若いから分からないでしょうけど、私の年になれば分かるわよ」神谷香織は懇々と諭した。

「ママ、私の周りの男たちはろくでもないわ。みんな恋愛を遊び半分にしか考えていない人たちよ。そんな人たちと結婚なんて絶対に嫌。でも桑原勝は違うの。確かに女は多いけど、本気で付き合っている人はいないわ。その女たちは彼にとって服みたいなもので、何の感情もない。彼はかっこよくて、一番お金持ちだし、私はみんなが憧れる太子妃になりたいの。そして、パパがママを大切にしたみたいに、桑原勝の愛する人になりたいの」