第230章:あなたを助ける

「結構です」青木重徳の手助けの申し出に、青木岑は即座に断った。

「見栄を張って無理する必要はないよ。この件を放置して成り行きに任せれば、最終的に一番傷つくのは君自身だ。神田姉弟にはほとんど影響がないし、それに君が反応しなくても、彼らは望むものを得られないと分かれば、手を引くことはないだろう。煙幕を張り続けて君を追い詰めるはずだ。そんな受け身でいるくらいなら、積極的に攻めに出た方がいい。僕たちが手を組めば、一瞬で彼らを追い出せるさ」

「青木さんはまだ亡くなっていないのに、物事をそんなに甘く考えないでください」青木岑は冷たい声で注意した。

「分かってるよ。これは父さんとは関係ない。今は直接介入してこないはずだ。ただ虎の争いを高みの見物をするだけさ。でも、こんな頭の悪い真似を思いつくのは神谷香織じゃないはずだ。きっと青木婉子の仕業だろう」