「サプライズ……なんてなかったわね。驚かされたのはこっちよ。何か起きたら私がどれだけ辛い思いをするか、分かってるの?」
西尾聡雄は心配そうな表情を浮かべた。先ほど彼が彼女の声にすぐ気付かなければ、ボディーガードに容赦なく追い出されていたところだった。
もし怪我でもしていたら、自分の心が引き裂かれるようなものだ。この女は分かっているのだろうか?
「私は大丈夫よ」青木岑は少し後ろめたそうに、西尾聡雄の様子を窺った。
青木岑の強がりに対する最良の対処法は、強引なキスだった……
案の定、西尾聡雄は彼女をソファーに乱暴に押し倒し、覆い被さって激しくキスを浴びせた。
最後には彼女の力が抜けてしまうまで……やっと離してくれた。
その時、外からノックの音が聞こえた。「社長、後でプレス発表会がありますので、ほどほどにお願いします」