「ゴホンゴホン……青木岑の提案はいいですね。ええ、作業着のデザインも数年経っていますし、そろそろ時代遅れになってきました。長い間同じものを使っていると審美疲労も出てきますからね。これはいい考えです」傍らにいた科の主任が追従して言った。
実際、南区のほとんどの人々は情報通で、秘密など存在しなかった。吉田院長が青木岑を重用していることは、みんな多かれ少なかれ知っていた。さらに、青木岑が一晩中かけて吉田院長の姪の命を救ったことも知っていた。
だから青木岑が最初の提案を出すと、主任はすぐに同調した……
細川玲子もうなずいて、「吉田院長、青木岑の言う通りです。ここは病院ですから、作業着はやはり少し厳かな方がいいですね」
「それを記録しておいて、すぐに整備するように」吉田院長は横の秘書に言った。