青木岑は桑原勝を無視して、タクシーを拾って去ってしまった……
桑原勝は朝から青木岑と一緒にいたことで、とても上機嫌だった。
ゴルフ場
数人の若い金持ちが女性を連れてゴルフをしていたが、桑原勝だけが一人だった。
「珍しく一人だね。どうしたの?最近は精進料理?」青木重徳が笑いながら言った。
「そうさ、肉ばかり食べていたから、たまには控えめにしないとね」桑原勝は笑った。
「機嫌がいいようだけど、うちとの提携関係を元に戻す気はない?お金に背を向けるのもどうかと思うけど?」談笑の中で、青木重徳は提携解消の件について切り出した。
桑原勝は携帯をいじりながら、無関心そうに答えた。「お前の頭の悪い妹を追い出したら、また提携の話をしよう」
青木重徳は肩をすくめた。「青木婉子がバカなことをしたのは分かってたよ。お前のベッドに上がりたかったんだろう」