「彼女が行けと言うなら、行けばいい」
西尾聡雄がそう言うと、笹井春奈は即座に喜色満面となり、目には喜びが溢れていた。
これは社長が彼女を家に連れて帰って食事することを承諾したということ?
その時、西尾聡雄が続けて言った。「まだ行かないの?何を待っているの?」
「私...私の車はメンテナンス中で、まだ戻ってきていないので、私は...?」
「タクシーを使えばいい」西尾聡雄は即座に笹井春奈の言葉を遮った。
「はい、分かりました、西尾社長。では、すぐに支度して向かいます」笹井春奈は西尾聡雄の言葉を聞いて、心の中で少し落胆したものの、西尾家での食事への熱意は消えなかった。
もし会長夫妻の承認を得られたら、西尾家に入るのは時間の問題ではないだろうか?
笹井春奈が去った後、西尾聡雄も支度を整えて出発した。