「えっと……まだ正式に付き合ってるわけじゃないから、友達って言うしかないかな」佐藤然は少し照れくさそうに言った。
その女の子は恥ずかしそうに微笑んで、自ら自己紹介をした。「はじめまして、小原幸恵です。第三分署で文書管理の仕事をしています」
「ああ、同業者だったんだ」青木岑は納得した様子で言った。
「私のような地味な仕事じゃ、他の人と接する機会もないから、同業者を見つけられて良かったわ」
「女性警察官もいいじゃない、運が良かったね」青木岑は微笑んだ。
西尾聡雄は無口な性格なので、佐藤然の女性の友達とは全く会話せず、佐藤然とだけ雑談していた。
小原幸恵は自ら青木岑の側に寄って座り、さりげなく話しかけてきた。
「佐藤隊長のとても親しい友達だと聞いていますけど」
「ああ...そうですね、私たち高校も同じ学校で、もう長い付き合いなんです」