第286章:そんなに怖いの、お母さん知ってる?(3)

「あなた……私、私、私……」三回も「私」を繰り返し、普段は口が達者な青木岑はこうして弱気になってしまった。

「じゃあ、君が洗うの?それとも僕が洗うの?」

「えっと……それはちょっと……」青木岑は顔を伏せ、血が滴り落ちそうなほど真っ赤になっていた。

「お皿を洗うだけだよ、それもダメなの?」西尾聡雄は失望した表情を浮かべた。

「え?お皿?」青木岑は顔を上げ、呆然とした。

「そうだよ、他に何だと思ったの?何を洗うと思ったの?」西尾聡雄は得意げに笑った。

青木岑は瞬時に自分がからかわれたことに気づいた……

すぐに飛びかかり、西尾聡雄の肩を叩き始めた。「西尾聡雄、わざとでしょ、絶対わざとよ」

しかし手が西尾聡雄に触れた瞬間、彼に掴まれ、ソファーに強く押し付けられた。

3分間に及ぶ濃密なキスで、青木岑の全身がふわふわして、力が抜けてしまいそうになった……